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「きなりの雲」 石田千 [本]


きなりの雲 (講談社文庫)

きなりの雲 (講談社文庫)

  • 作者: 石田 千
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2017/03/15
  • メディア: 文庫


単行本は少し古い2012年出版の本。
以前この著者の本を読んでしっくりこなくて敬遠していたのですが違う著者だったことがわかり評価がよいので読んでみることにしました。
失恋をして半年ほど生きているだけの生活をしていたのですがようやく生活のペースを戻していきます。
仕事は編み物講師。
小学生の生徒や編み物好きの男性の生徒の話や彼女が住む古いアパートの住人の話なども織り交ぜています。
元住人が組織犯罪者でアパートがテレビに写ったことから元彼から連絡があります。
迷いながらも彼と会ったりしていて揺れ動いているのです。
編み物講師の他、以前、勤めていた会社の先輩夫婦が新潟でお店を経営していてそこに作品を送って販売してもらったりもしています。
雑誌にも取り上げられるようなセレクトショップのようです。
その先輩夫婦にも驚きの変化があったり・・・。
気力をなくしていた主人公が周りの人に助けられながら少しずつ生気をとり戻していく様が心地よかったです。
編み物も好きなのでそういう話題も出てきて親近感が持てました。
この作品のほかにも何度か芥川賞候補になっているのを知りました。
芥川賞の作品は(候補作品も含めて)読みにくいイメージがあったのですがこんなにすっと読める作品もあるのかと驚きました。
最近はエッセイの方が多いようです。

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