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「しろがねの葉」 千早茜 [本]



しろがねの葉

しろがねの葉

  • 作者: 千早茜
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2022/09/29
  • メディア: Kindle版





紹介分より
『男たちは命を賭して穴を穿つ。山に、私の躰の中に――戦国末期、シルバーラッシュに沸く石見銀山。天才山師・喜兵衛に拾われた少女ウメは、銀山の知識と未知の鉱脈のありかを授けられ、女だてらに坑道で働き出す。しかし徳川の支配強化により喜兵衛は生気を失い、ウメは欲望と死の影渦巻く世界にひとり投げ出されて……。生きることの官能を描き切った新境地にして渾身の大河長篇!』



千早さんの本は何冊か読んでいて読み応えがあったのでこの本も出版されたときに候補としてあげていたのですが戦国時代末期の石見銀山での女性の一生と知り、重苦しい感じがして読むのを躊躇していたのです。
そうしたら直木賞候補にあがり、これは読まなくては!と思い読み始めました。

最初は予想通り重苦しい雰囲気でしたがだんだんと主人公「ウメ」の芯のあるパワフルな生き方に興味を持ちどんどん読み進みました。

『石見銀山での銀掘(かねほり)の短命をたとえた「銀山の女は3人の夫を持つ」といういいならわし』があるそうです。

……銀を掘る作業が身体に良くないことはわかっていながらもそうせざるを得ない。
銀掘を絶やさないために三度結婚をして子どもを産まねばならない、そして三度も夫を見送らねばならない……あまりにも哀しすぎます。

もちろんその哀しさだけを描いているのではなくまた、名もない1人の女性の人生ではあるけれど壮大な物語でした。

第168回 直木三十五賞受賞作です。

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